瀬戸内や広島が舞台の映画や小説などを紹介&ハラモンの感想を自由につぶやく企画!
1発目は2023年1月公開の『とべない風船』です!
ちょいネタバレもあるので、これから映画を見る人は要注意!
作品の概要
ストーリー
瀬戸内海の島を舞台に、災害で妻子を亡くした男と、夢に挫折しこれからの道に迷う女の今後の生き方を少し後押しする優しいヒューマンドラマ。
陽光あふれる瀬戸内海の小さな島。数年前の豪雨災害(※)で妻子を失って以来、自ら孤立している漁師の憲二(東出昌大)は、疎遠の父(小林薫)に会うために来島した凛子(三浦透子)に出会う。凛子もまた、夢だった教師の仕事で挫折を味わい、進むべき道を見失っていた。
凛子は島の生活に心身を癒されていくが、憲二の過去を知って胸を痛める。最初は互いに心を閉ざしていた二人は、あたたかくてお節介な島の人々に見守られ、少しずつ打ち解けていく……。
甚大な自然災害によって、あるいは人間関係の小さな綻びによってもたらされる喪失を抱えながら、私たちはどのように生きていくのか—。悲しい出来事が起きたその場所で暮らし続けるとはどういうことなのか—。
豪雨災害からの復興が進む瀬戸内海の島を舞台に、恋人でも家族でもない一組の男女のぎこちなくもやさしい交流を通して、傷ついた心の癒しと再生を描く。
公式ホームページより引用
2018年6月28日から7月28日にかけて西日本を中心に広範囲で発生した集中豪雨。西日本豪雨とも呼ばれる。土砂崩れや浸水が相次いだ広島県では、死亡者108名、行方不明者6名の人的被害があり、14,109戸の住宅が被害を受けた。
広島県のほか岡山県や愛媛県などを中心に全国で、死者224名、行方不明者8名、住家全壊6,758棟、半壊10,878棟、床上浸水8,567棟、床下浸水21,913棟などの被害が発生。
出演者・監督
出演者
東出昌大 / 島の漁師・憲二 Wikipedia
1988年埼玉県出身。2012年に『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビューし、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞等受賞。主な出演映画は、第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品『寝ても覚めても』、『コンフィデンスマンJP』シリーズ、第77回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞作『スパイの妻』など。
三浦透子 / 元教師・凛子 公式サイト
1996年北海道出身。2002年にサントリーのCM「なっちゃん」で2代目なっちゃんとしてデビュー。第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』(21/濱口竜介監督) ではヒロインを務めた。同作では、主題歌「風になれ」の歌唱も担当。
小林薫 / 凛子の父・繁三 Wikipedia
1951年京都府出身。唐十郎主宰の「状況劇場」に参加。退団後、『はなれ瞽女おりん』で映画初出演。『十八歳、海へ』で報知映画賞新人賞を受賞。近年の主な出演映画は、『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』、『舟を編む』、『深夜食堂』、『Dr.コトー診療所』など。
浅田美代子(居酒屋の女将・マキ)、原日出子(凛子の母・さわ)、堀部圭亮(憲二の義理父)、笠原秀幸(憲二の漁師仲間・潤)、有香(島の小学生・咲)ほか
※紹介文は映画公式ホームページより引用
監督・脚本
宮川博至
1980年広島県出身。学生時代から映像制作の現場に入り、2004年より演出を始める。これまでにCMディレクターとしてACCブロンズ、ONE SHOW Merit、観光庁長官賞などを受賞。2015年、短編映画『あの夏、やさしい風』がShort Shorts Film Festival & ASIAにて入賞。また同作品がJIM×JIMアワードにて大賞受賞。2018年には2作目となる中編映画『テロルンとルンルン』(岡山天音主演)を制作。広島国際映画祭をかわきりに、国内外の映画祭に出品中。中之島映画祭グランプリ、愛媛国際映画祭脚本賞、富士湖畔の映画祭敢闘賞、ポピージャスパー映画祭最優秀長編賞などを受賞。本作『とべない風船』は長編第1作目となる。
※紹介文は映画公式ホームページより引用
その他
公開:2023年1月6日(2022年12月1日:広島先行公開)
時間:100分
後援:広島県、呉市、江田島市
作品の舞台・ロケ地
広島県の瀬戸内海の島、江田島や下蒲刈島などが舞台となった映画です。

詳しい場所は↓ホームページがオススメ!
この作品を見て、広島や瀬戸内の旅をするのもいいですよ!
観光船シースピカ(東向き)なら下蒲刈島や瀬戸内の多島美を楽しめます!(↓下の記事参照)

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ハラモンの感想
正直、とてもよかったです。この記事の企画をするほどに(笑)
自分好みの映画でした。
映像が優しく綺麗な色合いで、瀬戸内の風景がとても美しく描かれていました。
大切な人を亡くした後、生きている自分はどんな想いで、どんな風に生きていけばいいのか考えさせられる作品でしたね。
私にはまだその経験がないけど、想像するに、たぶん泣き暮らすんだろうけど、その後の人生をどう生きるのかは、やっぱ想像できないや。
豪雨災害で妻と息子を亡くした憲二役の東出昌大がなかなかに良かったです!今までこの人の演技はそんなに上手だなとは思わなかったんですが、今回はいいなぁと思いました。
ずっと暗い辛気臭い顔している中、時折見られるにこやかな表情や笑顔にホッとした気持ちになりました。やっぱり人間の表情って大事なんだなと思いましたね。
もう一人の主役・凛子(三浦透子)は、夢だった教師という仕事で挫折し、これからの道に悩んで、疎遠の父に会いに島を訪れるという行動は、なんだか少し分かるな~と。
凛子ほどの挫折ではしてないかもしれないが、今の仕事をこのまま続けていくべきかどうなのかとか、思い悩むお年ごろだし、親はよくもまあ定年まで働き続けて、挫折とかやめたいとか思うことなかったのかなとか、どこか遠くの離島にでも行ってゆったりしたいなと思ったりするお年頃だったりもするのです、私。
それから、小林薫が演じるお父さんは、人柄が柔らかく、穏やかで、それでいてお茶目で、いいなぁ~と思いました。あんな風なおじさんになれるといいなと思いました(笑)
あと、同僚の兄ちゃん(笠原秀幸)も良いキャラしてて、微笑ましく、かわいい、愛されキャラな感じで、暗くなりがちなテーマかつ、退屈になりがちな穏やか映画の中で良いアクセントになっていてよかったです!
この映画は広島の島が舞台ということで、広島弁が飛び交っているわけですが、広島出身のハラモンには懐かしくもあり、ちょっと違和感でもありで、こんなだったっけ?とか、そうそう言ってたわ~みたいな感じで楽しめました。
あと、島のおじさんたちの会話とかノリとかが、なんかちょっと懐かしくもあり、苦手だったなという思いが蘇ってきました(笑)
でも、島の人たちの近さというか、お節介というか、ああいう感じはちょっと羨ましかったりもして、一長一短だななんて思ったりしました。
映像的には、やっぱり瀬戸内の風景が本当に美しく、優しい色合いで映し出されていて、重たげなテーマでも、そんなに重くなることもなく、穏やかに見ることができました。
それでいて、ただただ島いいですよ~みたいな感じじゃなく、病院がないとか、車がないと動けないとか、魚が減ってるとか、漁に出るたび赤字になる(燃料高騰のため)とか、先が見えないとか、現実的なところにも触れられてて好感が持てました。
あと、やたらと地元アピールみたいなその土地の観光地とかお祭りとかをこれ見よがしに取り込む感じじゃなくて、瀬戸内のどこかの島という設定がよかったです。
ということで、興味持った方はぜひ見てみてください!